指導指針 ① 存在価値のあるクラブへ

 

ロボスフットボールクラブ・ジュニオルス  クラブコンセプト ~ 指導指針

 

ロボスフットボールクラブでは下記のポリシーを守りつつ、いつでも、いつまでも、男女問わず、選手達と大人達が一緒にサッカーを楽しめる場所、同じ時間や同じ思いを共有・共感できる場所、卒業してもいつでも帰ってこられる場所でありたい、と考えています。
 

ロボスフットボールクラブは、チームではありません。「クラブ」なのです。
 
  【 サッカーが全てではない 】
サッカーよりも大切なもの、優先すべきものがたくさんある、ということを、サッカーを通して伝える。

【 大人が子供より必死にならない 】
教えてあげる、という言葉は、大人の自己満足。
 
【 正解は1つではない ~ Bestはあるが、Must はない ~ 】
その状況下においてその選手が下した判断、出した答えこそが、正解。しかし次には、その答えは別 のものに変わるかもしれない。同じ状況が二度と訪れないサッカーだからこそ、そのつど、選手自身が
その状況に応じて自分で答えを導かなければいけない。

その時々において、選手それぞれが答え、つまり 「Best」 を探す。それが、サッカーの楽しみです。
こうしなければいけない、このシーンはこれ、というような唯一の答えなど、サッカーには存在しない。
セオリーすら存在しないと、僕は思っています。そう、「Must」 などはない、のです。

その、選手それぞれの正解を導き出すための方法は無限にあり、その解決方法を選手が自分自身で考え、見つける習慣をつけること、そしてそのために必要な技術、体の使い方などの良い習慣をつける。
そのための時間こそが 普段の練習の場、ということです。

先に答えを教えてそれを出来るようにする、という方が、コーチ陣にとっても、選手にとっても簡単でしょう。しかしそれでは、選手自身の自主性、主体性、ひらめき、柔軟性は養えません。

教えるのではなく、投げかける。その投げかけに対し、選手がまた必死に考え、模索し、Tryをする。
サボろうと思えばサボれるし妥協しようと思えば妥協も出来る。でも高みに行こうと思えばどこまででも行ける。 「どうするか、決めるのは選手」 これこそが、一番厳しい練習だと思います。

この 「厳しい練習」 をするのは、試合の場で、選手が主体的にPlayするためです。ベンチの指示を待たず、親の顔色を伺わず、全て自分で判断し、楽しむ。
そう 「笑いながら試合する」 ために、普段の練習では、自分に負けず妥協せず、ストイックに取り組むのです。その刺激を、僕らコーチ陣は投げかけ、与え続けていかなければなりません。妥協もしません。

そして ・・・ 試合の場では、選手達を信頼し、全てを選手達に任せます。
 
【 こちらからの投げかけに対して、受け取り方は自由 】
選手それぞれに個性があり、性格も、感性も、感受性も違う。投げかけを自分なりに解釈し、考え、決断したことを選手それぞれの「色」で表現する自由は、何があっても守ります。
そんな「違う色」同士の仲間達が、ピッチでは1つに連なり、心をつなぎ、イメージを共有して、ゴールを目指す。自己表現する自由を謳歌し、そして仲間の表現、そこに起こりうるミス・エラーを、仲間同士で全力でカバーする。
 
【 自分とは違う個性、感性、考え・・・そんな違いをお互いが認め合うこと。尊重しあうこと 】
人と同じでなくていい。人と違って構わないし、違わなければいけない。1人1人、違う個性と心を持つ違う人間同士なのだから。その違いを認め合い、受け入れ、お互いを高めあいながら競い合い、仲間となる。仲間のミスやピンチをカバーするには、全力で走らなければいけない。
この 「全力で走る自由」 こそが、サッカーにおける 一番大切な自由 なのだと、伝えていきたいと思っています。
 
【 ボールがあれば、何でも出来る 】
うちはこういうサッカーをする と、1つのStyleや考えを押し付け嵌めるのではなく、上述したように
選手それぞれの色があっていい。極端に言えば、Playスタイルはバラバラでいい。
その違いを、試合ではつなぎ合わせなければいけない。そのための最強のツールが、ボールなのです。
 
【 ボールで会話しよう 】
ボールの持ち方、タイミング、パスの強弱…そこに意図を乗せ、メッセージをつけリボンを巻いてパスを出す。そうすることで、無言でも、相手からの強いプレッシャーを受ける中での即興でも、味方に意図は伝わるもの。そのためには、ボールを意のままにコントロールできる、つまり 「ボールを持てる選手」 にならなければいけない。だからこそ、ボールコントロールやドリブルに、練習時間の多くを割くのです。
 
【 あっち向いてホイ 】
右見て左、前と見せかけて後ろ。パスと見せかけてドリブル、ドリブルと見せかけてパス。
サッカーの基本は?と聞かれたら、うちの選手達は 「騙すこと」 と答えるはずです。
サッカーは駆け引きの遊び。逆を取り、相手を剥がしながら前進する。
イメージと視線は逆にし、全身をバラバラに動かす。そして、視線の外へノールックパスを出すのです。
 
【 ボールは爆弾じゃない 】
ボールを持ち過ぎると奪われるリスクがあるから大きく蹴ってしまえ、危ないシーンでは大きくクリア、というPlayだけは、絶対にやりません。
いや、もしかしたら「どうしても勝ちたい!」という選手の判断でやるかもしれませんが、こちらから指示することはない。もしそのPlayが出たら、次は蹴らなくてすむように、自分で打開していけるように、またテクテク練習します。

自分、もしくはチームでボールを持っている時は例えどんな場所でも、状態でも…
必ず、チャンスの芽は残されている。
それを信じて、逃げずにPlayしよう。選手の勇気を示す場所。それが、試合のピッチです。

勇気と責任のある判断やチャレンジは、必ず尊重する。ミスもOK。
勇気と責任のない逃げ、アリバイPlayには、試合だろうが、その場で厳しく指導します。
 
【 サッカーに対するそれぞれの 「捉え方・考え方」 を持てる選手に 】
それを拠り所に個々が真剣にサッカーに取り組む。真剣に、遊ぶ。本当の意味のEnjoyを。
そんな場所であり続けられる場所こそがこの 「クラブ」 であり、そうあり続けられる環境づくりこそが、僕ら大人達にできる唯一のサポートだと、信じています。
 
【 サッカーはエモ-ショナルなもの! 】
感情を抑制せず、楽しい、嬉しい、悔しい、時には怒り…それぞれの感情の発露を、引き出したいのです。サッカーはEmotional Sports だと、我々は信じています。なんだかんだと偉そうに書きましたが、結局は、気持ちが、感情がボールを動かすし、人の心をも惹きつける。
淡々と、ひょうひょうとサッカーをしてもつまらない。自分の感情をさらけ出し、感情をボールに乗せ、感情を相手にも味方にもぶつける。

本気になる、必死になる、自分の感情をさらけ出す。そういったことが、何か恥ずかしい…最近の子供達には、そんな気配がないでしょうか。サッカーはエモーショナルなもの。感情を抑制してやれるほど、薄っぺらいものではないのです。
「もっと感情を出せ!」これも、うちのグランドに響き渡る声です。
 
【 違いを受け入れる、認め合う、尊重し合う という習慣 】
これはサッカーに限らず、これからの時代、世界に打って出て生きていかなければいけない若者達にとって、一番必要なメンタリティーではないでしょうか。 

寛容であり、柔軟であり、強く、優しいパーソナリティー。
こんなパーソナリティーを養うには、サッカーが最も最適であり、最強のツールである と、僕は信じています。

答えを待たず自ら探す、主体的に考え、何事にも真剣に楽しんで取り組む。
そして何より、人との違いを尊重できる。

そんな サッカー的な人間 こそが、強く生きていける のだと。


【 勇気とアドリブ、少しのユーモア 】 
このスローガンは今後も変えずに、また僕らコーチ陣も、勇気と探究心と学ぶことを忘れずに、選手達とともに成長し、向き合っていこうと思っています。それには、皆さんのサポートがどうしても必要です。

存在価値のある、魅力的な 「クラブ」 に、皆さんの手で育てて下さい。



文責/久保田大介